神戸星城高等学校 KOBE SEIJOH High School 一生モノの輝きを、十八才までに育む。

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起業家の講演会【講師:電動バイクで話題のglafit㈱鳴海社長】

2019-12-12

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 12月11日の13時~約90分間、起業家の講演会を行いました。これは特進Sコースの「経営者によるレクチャー」最終回(全6回)でもありますが、全学年の生徒も参加できる形で実施いたしました。講師として、クラウドファンディング資金調達額(1億2800万円)の最高記録を樹立された電動バイク「glafitバイク」の販売を手掛けるFINE TRADING JAPAN代表・glafit株式会社 代表取締役CEOの鳴海禎造氏にご講演いただきました。

 鳴海氏は最初にNHKがglafit株式会社を取材し放送された映像を流され、「クラウドファンディングを成功させてから、それを色々なところで取り上げてもらっているが、自分の長い歴史の中での2年間ぐらいの話で、ここにいきなり立ったわけではなく15歳からの積み重ねで今に至っている。皆さんと同じ学生時代にどういう事をしていたかというのを伝えて生きたい」との言葉で講演が始まりました。

 学生時代についての話では、「インターネットの無い高校時代にお小遣いがほしくて、雑誌を利用して服の売買をしていた」「大学に入ってPCの組み立てに興味を持ち、組み立て代行を商売にした」「インターネットが普及し、ヤフーオークションが出来ると、そのころ好きだった車の部品の売買をした」「複数の古本屋でコミック全巻を集めて売ると高く売れるなど、『手間を省くと価値になる』事がわかった」など、様々なエピソードを話されました。

 続いて自動車を販売する会社を立ち上げてからのお話は、「海外に向けて英語でサイトを作ると反響が大きく、好調に売れていたが、リーマンショックで円高になり輸出が困難になった」「輸出がだめなら輸入だと思い、中国に行くとあらゆるものの物価が安い事を知り、中国から輸入、日本で販売してV字回復した」「ある本をきっかけに知った大久保秀氏から『ビジネスモデルをどんどん変化させていくことが大事である』という事を学んだ」「『乗り物を通じて世界中の人々に驚きと感動と笑顔を届ける存在でありたい』を実現させるために自分たち自身が、これから乗り物そのものを提供するメーカーを目指すこととなった」と、会社を経営していく中で立ちふさがる壁や、それをどうやって乗り越えてきたかなど、実際に経験されたからこそ伝わるリアルな内容でした。

 クラウドファンディングを行うまでの経緯については、「車を作ろうとしたがノウハウが無いので、既存の車メーカーの過去を調べてみると、多くのメーカーが最初は補助エンジン付の自転車を作っていることがわかり、2輪から作ってみることにした」「計画はできていたが、当時円安だったこともあり資金があまり無く、製造しても売れなければ困るので、その点を考慮した結果クラウドファンディングのMakuakeで発表することになり、そこで集めた資金で製造が出来た」と話されました。また、クラウドファンディングを利用すると決めてからMakuakeで発表するまでも一筋縄ではいかなかったとのことで、成功の裏には多くの苦労があった事を知ることが出来ました。

 最後に鳴海氏は生徒に向けて、
「失敗を恐れず、それを乗り越えていく力を持つ。失敗の連続だから誇れることもある」
「知識だけでなく、自分自身の経験の積み上げが重要。大事なときの決断は、その経験がないと出来ない」
「自分自身がしっかり決断していくために、どういう方向に向かっていくかというビジョンを持ち、そこに向かっていく過程での失敗や成功はたくさん経験する」
など、高校生が今後人生を歩んでいく上でヒントとなる事を伝えていただきました。

 講演終了後は質疑応答を行い、生徒や教員から多くの質問に答えていただきました。生徒からの「新しいアイデアを生むためにはどうすればいいですか」という質問に、「普段と違う変化が必要。車で通ったら気づかなかった事に、自転車や徒歩で通ると気づくなど、視点を変えれば多くのものが見える。ビジネスはどんな視点でどんな課題を見つけるかということが大事だが、これだけ世の中が便利だとそれに気づかなくなっていってしまう。一度途上国に行ってみるなどして、社会問題について知ると、今の自分の生活がどれだけ恵まれているか分かり、全く違うものが見えてくる」など、一人ひとりの質問に全力で答えていただきました。

 この度の講演は、生徒たちにとって、未来の扉を拓くキーワードを頂くことができた貴重な1日になりました。ご講演いただきましてありがとうございました。

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